*パパはヤンキー高校生*
<キッチン>
「ねぇ、柳下君…」
「何だよ?」
キッチンでは、刹那と増田が並んで立っていた。
その空気はちょっと重たい。
「……」
「瑠華のことか?なんか言いたいことあるみたいな顔してるけど?」
「リンゴ…」
「は?」
「リンゴって、どうやって剥くの?」
「お前さっきから真剣な顔で俺を見てたけど、それ悩んでたのか?」
「だって、剥いたことないから」
「んだよ…お前が複雑そうな顔してっから、てっきり瑠華のことかと思ったじゃねーか。貸してみろ」
刹那は、増田からリンゴを奪った。
「リンゴはな…こうやって…」
「柳下君は、瑠華ちゃんが好きなの?」
「…は?」
今度はいきなり、瑠華の話をし始める増田。