溺愛コンプレックス
家に帰り着いて、食事を済ませた私たちは、居間でテレビを見た。
ソファーに座るカナメの膝に、私は頭を乗せて寝転がる。
「あんたたちねー、いい年して新婚みたいにベッタリくっつくのやめなさいよ、みっともない!」
見かねた母ヨウコが呆れたように言う。
「い~じゃない、これが楽なんだからあ」
私が寝転がったまま口答えする。
「カナメ!あんたもお嫁さんみたいにツバキにかいがいしく尽くすのやめなさいよ!恥ずかしくないの男のくせに」
カナメはテレビを見ながら
「ツバキがいいなら別にいいよ」
と平然としている。
「もーカナメがそんなに甘やかすから、ツバキが何にもできないのよ。嫁のもらい手がないじゃない」
ヨウコがそう言うと、存在感のなかった父ハジメが突然叫んだ。
「何ッ!?父さんはツバキが嫁に行くなんて許さんぞ!」
「お父さん、気が早いって!」
私がツッコミを入れると、みんなで爆笑した。
そう、こんな何でもない瞬間が、私はとても愛しいと思う。
ソファーに座るカナメの膝に、私は頭を乗せて寝転がる。
「あんたたちねー、いい年して新婚みたいにベッタリくっつくのやめなさいよ、みっともない!」
見かねた母ヨウコが呆れたように言う。
「い~じゃない、これが楽なんだからあ」
私が寝転がったまま口答えする。
「カナメ!あんたもお嫁さんみたいにツバキにかいがいしく尽くすのやめなさいよ!恥ずかしくないの男のくせに」
カナメはテレビを見ながら
「ツバキがいいなら別にいいよ」
と平然としている。
「もーカナメがそんなに甘やかすから、ツバキが何にもできないのよ。嫁のもらい手がないじゃない」
ヨウコがそう言うと、存在感のなかった父ハジメが突然叫んだ。
「何ッ!?父さんはツバキが嫁に行くなんて許さんぞ!」
「お父さん、気が早いって!」
私がツッコミを入れると、みんなで爆笑した。
そう、こんな何でもない瞬間が、私はとても愛しいと思う。