溺愛コンプレックス
「いや、フツーじゃないよ」
アキナが冷静に言った。
学校の裏庭での昼ご飯。アキナに夕べの話をしたら、すかさず突っ込まれた。
「うーん、今までこうやって暮らしてきたからなぁ」
「うーん、じゃない!何度も言うけど、カナメ君にもカナメ君の人生があるんだから、一生一緒にいてくれるわけじゃないんだよ?」
「そうだ…いくら弟でも、嫁ぎ先に連れていくわけにはいかないもんね」
アキナは呆れて言った。
「あんたたちはそれ以前の問題。このままじゃお互い恋人できないよ?」
「えー!!なんでよ?!」
そのとき、背後から女の子の声がした。
「どうして?!付き合ってる人いるの…?」