溺愛コンプレックス
act.2 秘めた思い
私はカナメにメールした。

『今日から一人で帰るよ。私のこと待たなくていいからね』

すぐに返信があった。

『どうしたの、何かあった?』


私はそれに返事をしなかった。

いつまでもカナメにおんぶにだっこじゃだめなんだ。
カナメがかわいそうだもん。

私は終礼が終わると、早々に教室を出た。

いつもの道だけど、一人で歩くとすごく静かだった。
当たり前だけど、かばんが重い。
いつもカナメが持っててくれたから、この道は手ぶらで歩いてた。

なんだか知らない道みたい。
初めて分かる。カナメの存在の大きさが。


何だか涙がでてきた。私って、ホントに情けない…。


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