溺愛コンプレックス

「よかった♪ジャージ」

私がにっこり笑って洗い立てのジャージを抱きしめると、アキナが私の頭をはたいた。


「よかった♪じゃない!あんたはどうしてそう弟頼みなの!?人生それでいいの!?」


怒ってる…

確かに高校生にもなって一人じゃ何にもできない私は、カナメがいてくれないと生活が成り立たない。
家でも学校でもいつもカナメがそばにいてくれるから毎日なんとかなってる。
カナメにとっては迷惑なことなんだろうけど…


「ツバキのおかげでカナメ君、あんなにイケメンなのに彼女作れないじゃん!」


「えっ?!そうなの!」


確かにカナメが家に女の子を連れてきたことはない。
バレンタインデーや誕生日にはたくさんプレゼントをもらってくるのに…。

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