溺愛コンプレックス
「いいじゃ~ん」
背後からクラスの女子数人が声をかけてきた。
「ツバキのダメっぷりがのおかげで、こうやって毎日カナメ君が拝めるわけだし」
「そうそう!接点増えるじゃん」
カナメは私の同級生にもモテモテみたい。
やっぱり自慢の弟だわ!
「それじゃだめなのよ、ツバキはいいかげん自立しなきゃ!」
アキナは口を尖らせる。
私のためを思って言ってくれてるんだもん…嬉しいよ。
「ありがとアキナ…私がんばるよ!」
「ツバキ…」
カナメに迷惑かけてばっかじゃダメだよね!
「でも頑張るって、何を頑張ればいいのかな?まあそれもカナメに聞けばいっか♪」
アキナが、だめだ、という顔をしたのを、私は気づかなかった.