溺愛コンプレックス

「いいじゃ~ん」


背後からクラスの女子数人が声をかけてきた。

「ツバキのダメっぷりがのおかげで、こうやって毎日カナメ君が拝めるわけだし」
「そうそう!接点増えるじゃん」


カナメは私の同級生にもモテモテみたい。
やっぱり自慢の弟だわ!


「それじゃだめなのよ、ツバキはいいかげん自立しなきゃ!」


アキナは口を尖らせる。
私のためを思って言ってくれてるんだもん…嬉しいよ。


「ありがとアキナ…私がんばるよ!」


「ツバキ…」


カナメに迷惑かけてばっかじゃダメだよね!


「でも頑張るって、何を頑張ればいいのかな?まあそれもカナメに聞けばいっか♪」


アキナが、だめだ、という顔をしたのを、私は気づかなかった.
< 4 / 63 >

この作品をシェア

pagetop