溺愛コンプレックス
放課後、いつものようにカナメが私を教室まで迎えに来た。
「カナメ、私体育祭の実行委員になっちゃったの(ジャンケンで負けて)。今日集まりがあるから先に帰ってて」
カナメはにっこり笑って答えた。
「偶然だね、俺も実行委員になったから遅くなっても一緒に帰れるよ」
なんだ、すごい偶然。気を遣うまでもなかったな。
私はカナメと一緒に実行委員の集まる教室へ向かった。
物影から見ていたアキナと別の女子が、あきれたような会話をしてたのを知らずに。
「カナメ君、クラスで決まってた実行委員に色仕掛けで頼んで、代わったらしいよ」
「う~ん相変わらずの過保護っぷり…。あれがダメ女の原因だわ。ってか、もう恋人?」