Dragon Fang
…まさか、嵌められるとも思ってなかったけどね?
あたしは理科室に並ぶ黒いテーブルの上に座った。
黒いカーテンが閉まっていて、隙間から太陽の光が零れ落ちる。
「じゃあ、次の獲物が掛かるまで話でもしない?」
「え?」
キョトンとしたタキに、あたしは笑いかけた。
「だって、もう良壱に『眠り姫が理科室にいる』って流したんでしょう?」
言ってから気づく。
誰か、こんな台詞言っていたような。
…あぁ。
「ナルちゃん、よく眠りそうだもんね。」
クスクス笑うタキ。
…羽瑠も同じような事を良壱に言っていたんだっけ。
兄妹ながら、思考回路がにているのかもしれない。