自分探しの旅
次の日から、また会社とアパートの往復が始まった。忙しさに気が紛れているうちは、何ら普段の生活と変わらなかった。それでもふと自分の時間に帰ったとき、円心の顔の絵を取り出して見てみる。円心はいつも穏やかな眼差しでこちら側の世界を見ている。
『この人が自分だとはどういうことだろう。自分は自分なのに・・・』
喉もとに何かがつかえているような気分になった。そして、そのつかえたものは日増しに成長している。もはや京介はすべての謎を解き明かさないことには気が済まなくなってきた。円心のこと。前世のこと。そしてこの間の夜起こったこと。手がかりはある。円心に縁の寺もその一つだろう。その気になれば調べて、行くことだって可能だ。でも京介はそこまでする気にはなれなかった。
『この人が自分だとはどういうことだろう。自分は自分なのに・・・』
喉もとに何かがつかえているような気分になった。そして、そのつかえたものは日増しに成長している。もはや京介はすべての謎を解き明かさないことには気が済まなくなってきた。円心のこと。前世のこと。そしてこの間の夜起こったこと。手がかりはある。円心に縁の寺もその一つだろう。その気になれば調べて、行くことだって可能だ。でも京介はそこまでする気にはなれなかった。