自分探しの旅
ここまで話を聞いたとき京介は、ある種の戦慄を禁じ得なかった。『じゃあ、鍵をかけて本人も入れない扉の中をどうやって入って行けたんですか。』
こう言いたかったが、言葉は出てこない。たばこの煙の向こうで笑ってはいるが、するどい眼光がこちらを見ていた。
「京介。やってみるか、前世療法。」
お願いしますと言う他なかった。
京介は、時々龍仁に対して不思議に思うことがある。なぜ自分のような普通の人間に、こうまで親身になってくれるのだろう。自分は龍仁から幾度となくその能力の恩恵を受けてきた。でも自分は龍仁に何をしてあげたというわけでもない。いつか酒の席で、それとなく聞いたことがある。
「これも人の縁というものだよ。」
そのときはそういうものかと受け流していた。後で、その意味に気づかされるとも知らず・・・
こう言いたかったが、言葉は出てこない。たばこの煙の向こうで笑ってはいるが、するどい眼光がこちらを見ていた。
「京介。やってみるか、前世療法。」
お願いしますと言う他なかった。
京介は、時々龍仁に対して不思議に思うことがある。なぜ自分のような普通の人間に、こうまで親身になってくれるのだろう。自分は龍仁から幾度となくその能力の恩恵を受けてきた。でも自分は龍仁に何をしてあげたというわけでもない。いつか酒の席で、それとなく聞いたことがある。
「これも人の縁というものだよ。」
そのときはそういうものかと受け流していた。後で、その意味に気づかされるとも知らず・・・