君の瞳に映る色
…停電?

そう思った時に身体に
ずしっと重みがくる。

背中に強い衝撃。

棗は何が起きたのか
理解できなかった。

薄暗闇に目が慣れてきた頃、
遠くに消えた状態の
蛍光灯が見えた。

相変わらず不自由なままの身体。
伝わってくる体温。
耳元で聞こえる玲の息づかい。
身体に感じる重み。

抱きしめられたままソファーに
押し倒されている。

自分の置かれている状況に
ようやく気付いて
必死に玲を振りほどこうとする。

「やめて!いいかげんにして!
どきなさい!」

玲の身体を押し戻そうとしても
びくともしない。

「どいてったら………?」

棗はあることに気付いた。

相変わらず玲は
棗を抱きしめたままだが
玲の色がまったく見えない。

「…どうしたの?」

何かされても困るが
反応がないのも困る。

苦しい体勢のまま自分の上の玲を
揺するが玲は答えない。








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