君の瞳に映る色
あの、恐怖の色…。

「まさか…」

この男は雷が苦手なのだろうか。

ヴァンパイアのくせに
太陽の光を浴びても
平然としているのに、
まさか雷で気絶するなんて。

少し心配になって
手を口元に近付けてみたが
息はちゃんとしていた。

ホッとして自分に
覆いかぶさっている玲の身体から
逃れようとその身を捩ってみる。

しかし棗の細い腕では玲の身体は
動く気配がなかった。

おまけに柔らかいソファーに
自分の身体が沈んでしまって
思うようにも動けない。

「…はぁ」

諦めて棗は力を抜いた。





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