君の瞳に映る色
その言葉に納得したのか、
じゃぁ、お願いします。
と瑠璃は言った。

それを合図に
車がゆっくりと発進する。


「温度をもうちょっと上げて」


広い車内に落ち着かない様子の
瑠璃とは正反対に棗は足を組んで
助手席の柊に言う。

すると柊はどこにあったのか
ブランケットを差し出してきた。


「ありがとう。…これでも
かけておきなさい」


それを受け取り瑠璃に手渡す。


「え?わたしに?」

「そうよ。あの男に
言われたからって
この寒いのに外で待ってるなんて
どうかしてるわね」

「はぁ…あの、カバンがないと
困ると思って」


伏せ目がちに瑠璃は答える。


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