君の瞳に映る色
瑠璃は中の状況を見て
目を丸くしている。

「何してるんですか…」

慌てて棗に駆け寄る瑠璃は
棗を拘束している男を見て
さらに目を丸くした。
樋野君、と呟く瑠璃の言葉に
棗は右側の男を見た。
背は自分より少し高いくらいで
短めのブラウンの髪、
爽やかな雰囲気の男だ。

「樋野君、何してるの?
西園寺さん放してっ」

瑠璃は樋野の腕を引っ張って
揺するが、樋野は無表情のまま
棗を掴んで放さない。

瑠璃の出現に棗は呆然と
瑠璃を見ていたが、玲が瑠璃に
ゆっくり近づくのに気付き
ハッとする。

「危ないからあっちへ
行きなさい!」

無言で近づいてくる玲に
瑠璃も気づいて顔を上げた。

「会長さんが、こんなことを?
…せ、先生に言いますよ!」

状況が飲み込めないまま
それでも瑠璃は気丈に
玲を睨んだ。

玲は無言で瑠璃の両腕を掴む。
瑠璃は小さい悲鳴を上げた。

「やめて!」

棗は不自由な身体を
必死に捩って暴れる。

瑠璃は目を丸くして玲を
見ていたが、やがて
目蓋がゆっくり落ちていく。
身体が玲の手から離れて
床にドサリと倒れた。




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