君の瞳に映る色
瑠璃は起き上がると何が
起こったのか分からない様子で
辺りをキョロキョロしている。

「あれ?わたし何でここに」

記憶が消されてる、棗は
頭の中で思った。
ただ何を言っていいかわからず
黙っていると瑠璃と視線が
ぶつかった。

「…覚えてないの?」

わかっていながらも他に
言うことが思い付かずに聞く。

「西園寺さんをみかけて
あいさつしようと思って…
それから……??」

瑠璃は再び首を傾げる。
てっきり好きだと言っていた
樋野を訪ねてここに来たのかと
思っていたが、自分の名前が
出てきたことに棗は少し驚いた。

「もう少しで昼休みが終わるわね
戻りましょう」

棗はそう言って出入り口の方へと
向かう。
考え込んでいた瑠璃も慌てて
立ちあがった。

「西園寺さんは生徒会室に
何の用事だったんですか?」

棗を覗きこむように
瑠璃が質問してくる。

「高槻玲に呼び出されたのよ」

その答えに瑠璃は
仲良しなんですね、と笑った。
全否定したい気分を押さえて
曖昧に頷く。
瑠璃は笑顔で話を続ける。

「前に話した樋野君も
生徒会のメンバーなんですよ」




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