王子様のお妃候補?



「な、何で予想できるんだよ、そんなこと!」



「長い付き合いですから」



ニコッと微笑むシャナの顔に、アリュエインはサーッと血の気が引く感覚がしました




(バレてる…。絶対バレてるーーっ!!!)




「さぁ、アリー様。朝食の準備ができましたから、どうぞ召し上がって下さい」



「あ…う、うん」




本当はバレてないかもという期待とバレてるかも、という諦めや気恥ずかしさが相まって、アリュエインはギクシャクと椅子に着きました



「シャナ怖い…」



「何か言いましたか?」



「い、いえ、何にも」



アリュエインは、苦笑いをしながら慌てて手を振りました





「シャナさんて…すごいです」




その様子を見ていたメイは、すっかりシャナを尊敬の眼差しで見ていました




「じゃ、じゃあ…いただきまーす…」



テーブルに並べられた、朝食とは思えないほどの豪華な食事をアリュエインは吟味するように一つ一つ食べていきました



「お、美味しい!!」



「豪華ですよね」



横で給仕をしていたシャナも、目を奪われたようにテーブルの上の料理を見ていました



「パンが、すっごいフワフワだよーっ。このジャムも甘いし、とろけそー…」



ん〜っ、と頬を押さえながらモグモグと口を動かすアリュエインに、メイが頬を赤く染めて言いました



「アリュエイン様…、実はそのパン、私が作らせていただきました」



「えっ!!すごいな、メイ!」







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