【Transformation of Tony】トランスフォーメーション・オブ・トニー
そう、そうなのだ!
マスターの言う次のカードが
既に、あまりにも早く訪れて
来ているのだ!
『有難うございます!
戴きますっ!』
そう元気良く言いながら、
一息置くと、片手を腰に当てて
まるでミルクを飲み干す様に
グラスのカルーアミルクを
麗子は一気に流し込んだ。
ハァ~
僅かながらマスターの言葉に
麗子のどんよりモードは癒され
て行った。
『マスター!次は…テキーラ
お願いします!』
飲み干した空のグラスを
差し出し、うるんだ瞳で
力強く言った。
『いや、だから…
無理すんなって…。
ホンっ…ト可愛いなぁ…
あっ!これもセクハラか…!
テキーラ?ホント大丈夫?』
マスターが麗子のアルコールの
技量を疑いつつ、ショット
グラスにテキーラを注ぎ、
ライムをナイフでクシ切りに
した。
『はい、どうぞ…。』
コト#
再び麗子の前にライムの
刺さった新しいグラスが
置かれた。
『…戴きます。』
添えられたライムを口の中に
搾り、グラスのテキーラを
一気に流し込む…
トニーに伝授された飲み方を
再現してみたが…
案の定、むせてしまった。