ライアー …嘘に溢れた日常…
「新 妃架里さん、楓輝くん、弥貴斗くんだね。」
そこにはグレーのスーツを着た若い人と、黒いスーツを着た年配に見える人が2人立っていた。
「緊張することないよ、リラックスして。」
私達が黙っていると、若い人が話し出した。
「冴島くん。」
黒いスーツの人が口を開く。
グレーのスーツの人は冴島というらしい。
「はい。」
「その3人は緊張しているんじゃない、警戒しているんだ。あまり変なことを言うと警戒心を煽るだけだ。」
「すいません。増岡警部。」
黒いスーツの人は増岡というらしい。
「では昨夜のことを話そうかな。」
増岡と呼ばれた人が話し始める。
「3人は昨日のことを覚えているかな?」
「忘れるとでも思ってるんですか?」
「みぃ。」
「大丈夫だよ、すぐにこんな大人に慣れろという方が無理だろう。」
増岡という人は、随分と物分かりがいい。
「さぁ、早速話そうか。」
一呼吸置いて、増岡さんが話しだす。
「昨日の夜、君たちの家は放火されたんだ。」