永遠の片想い
言ってしまえば、たかがチョコレートなのに。

ここで引き下がれないのは、私のプライドなのかもしれない。


「私、シュン先輩に渡してるんですけど…」


わざと悲しそうな顔をするミサキちゃんは、シュンくんにどう映っているのだろうか。


「シュンくんは、私の彼氏だから。もう近付かないで」


私の責めるような言葉に"せっかく作ったのに"と、涙まで流すミサキちゃん。

そんな彼女を見ても、今は何の感情も出て来ない。


ただ、シュンくんと早く二人になりたくて。


それなのに、期待を裏切ったのは、彼の方だった。


「いいよ、貰う」


そう言って、ミサキちゃんに手を差し出した。


「…は?」

「チョコくらい、貰ってもよくない?」
< 301 / 402 >

この作品をシェア

pagetop