永遠の片想い
吐き捨てられた言葉に、困惑する。

だけど、ガラスに映る自分の顔で、すぐにその言葉の意味を理解した。


「全然ふっ切れてねぇじゃん」


泣き出しそうな顔をしているのは、悲しいからじゃないのに。

きっと、大切にされていた頃の自分を思い出して、ただ懐かしくなっただけ。


「何で佳祐が怒るの?」

「別に怒ってねぇよ」

「怒ってんじゃん」

「怒ってねぇって」

「…嘘つき」


呟くように言うと、佳祐は寂しそうな顔を見せた。


「戻ろうぜ」


来たばかりの道を、引き返す。


月明かりに照らされた私達は、明日から別々の場所で、この空を見上げるんだ。



どうか明日も

笑っていられます様に−−−…
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