苦しいほど君がスキ。
最近の理央は、本当に意地悪だ。

ことある事に、あたしを馬鹿にして楽しんでいる。


でも、たまに見せる優しさがどうしょうもなく、好き。



チラッと横を見ると、机に頬杖を付きながら外を見る理央。




最近、また大人顔になった気がした。






『…菜?おい、莉菜っ!』


『えっ!はいっ!』




名前を呼ばれた事で反射的に席を立ったあたし。



すると後ろから『あちゃ〜〜』と言う声が、聞こえた。



その声に振り向くと玲央は、両手を顔の前に出し『わりぃ〜』と小声で言った。






な、なにがどうしたの!?





理解できないあたしは、理央を見た。





えっ?






あたしに向かって口パクで話す理央の言葉を読み取った。








『……ば………か?』






『誰が馬鹿なんだ。、相澤ぁ? 入学式そうそう教師に喧嘩かぁ?』





教師??





その声に振り向くと険悪な様子であたしを見下ろす教師。





『………あはは…』



『何が、あははだ!
人の話くらい聞けっ!』




『……は、はい』





理央に見とれて教師の話なんか聞いていなかった。


そんなあたしを見てクラスの人達がクスクスッと笑っていた。


入学式、当日…。




最悪なスタートをきったのだった
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