赤と黄色と緑と【季節短編】






「うそ、つかなくていい」




父さんは言葉を失ったように黙った。





俺はそんな父さんを見つめて言った。




「俺、もう生きられないんだろう?長くないんだろう?来年の冬…まで……生きられないんだろう?」




涙で言葉が詰まる。





父さんは何も言わなかった。




ただうつむいていた。




俺はそんな父さんに向かって言った。




一番言ってはならないことを。
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