赤と黄色と緑と【季節短編】






「なんで言ってくんなかったんだよ。俺は父さんの口から聞きたかったのに」




その時、俺の目の前に箱が押しつけられた。




俺はびっくりして見上げた。





そこにあったのは泣きそうな顔の父さんと古びた四角い箱だった。





「言う必要がないからだ」




父さんは俺の方をまっすぐに見つめながら言う。




「父さんはお前がこの星を毎年飾ってくれるという約束を守ってくれると信じているからだ」




優しいその目もまた涙ぐんでいた。




俺は言葉に詰まった。




そうか、これは約束なんだ。




父さんは今年も約束をまもってくれた。



俺も守らなくちゃな……
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