lotlotlot2-ふたつの道-
深い霧に包まれたような言葉
青い柱が見えてきた。これが僕たちの村の目印だ。
それが見えてくると、リーグの足はさらに加速した。

柱を抜けた。
「着いた・・・。」
膝に手をつき、呼吸を整えている。
五分ほどして、やっと呼吸が整った。
「よし、いくか。」
足は家へと向かった。

慣れ親しんだ扉の取っ手を手に取る。たった一週間くらい離れただけなのに、妙に懐かしく感じる。
開けた。
しかし、様子がおかしい。人の気配がまるでしない。

リーグの父親は農業を営んでいる。だから、畑にいるか、家にいるか、そのどちらかしかない。
ただ、この時間は家にいる時間だ。畑に行くのは考えられない。
「おーい。」
少しの間とはいえ、家を勝手に開けてしまった気まずさから、素直に父親を呼ぶことが出来ずにいた。
「おーい。」
返事がないので、もう一度呼んでみた。しかし、結果は同じだった。
「親父、どこ行ったんだ?」
とりあえず家の中を探してみる。しかし、どこにも姿は見えない。
「ズズカさんのところかな?」
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