lotlotlot2-ふたつの道-
「そんなに落ち込むことはない。」
「だって、魔法が使えないんだろ?ここから抜け出すことは出来ないんだろ?どうして、落ち込まないでいられる?」
「方法はないわけではない。」
「どんな方法だ?」
目的のためには、男はどんな事でもする覚悟でいた。
「簡単だ。体を貸してくれればいい。」
「体を貸すだと?」
「あぁ、私は体を封印されてしまった。ちょうど、お前と逆だな。魔力はそのままだが、体がなければ魔法を使うことは叶わない。」
「なるほど、お互いの足りないところを補完し合うというわけか・・・。」
「そう言う事だ。」
声の主が驚くほど、男は誘いに乗り気だった。
「それでどうすればいい?」
「何もしなくていい。お前の了承があれば、驚くほど簡単に・・・。」
全てを言い終える前に、男は了承した。
が、それは間違いだとすぐに気づいた。
「乗っ取る事が出来る。」
「なっ?」
気がついた時には、自由が利かなくなっていた。腕はおろか、指一本思い通りに動かせない。そして、男の意識は強固な檻に閉じこめられた。
事態は好転するどころか、より深い谷底にけ落とされたも同じだった。
< 24 / 87 >

この作品をシェア

pagetop