lotlotlot2-ふたつの道-
「なぁ、今、音が聞こえたよな?爆発音みたいな。」
「また、あれじゃないか。間欠泉が吹き出した時の音。あれも爆発って言うか、破裂音みたいなのするだろう?」
男が、そう言うのも当然だ。ここで見張りをはじめてからと言うもの、何度、同じ音を聞いたかわからない。
「そうなのか?」
対してもう一人の男は、見張りの仕事を始めたばかりだった。辺りはものすごく深い闇に包まれている。内心ビクついても仕方ないだろう。
「あぁ、そうさ。俺もこの仕事始めたばかりの頃は、お前みたいにビビったもんさ。なぁに、すぐに慣れるって。」
「そ、そうか・・・。」
男が納得しかけた時だ。洞窟の奥から、土煙が漏れてきた。
「おい。間欠泉って、土煙あげるほどすごいものなのか?」
「えっ?」
今まで働いてきて、もう一人の男が土煙を見た事はない。予期せぬことに男は焦った。
「そ、そんな事、一度もないぞ。」
松明を手に持ち、洞窟の中の様子を伺った。
しかし、しょせんは松明の明かりだ。土煙のせいもあって、まるで奥の様子は見えない。
「ダメだ。これじゃ・・・。パウパウ堂の蛍灯(ほたるとう)を持ってきてくれ。」
「わ、わかった。」
すぐ側にある見張り小屋に走っていった。
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