lotlotlot2-ふたつの道-
親子の会話のように見える会話
周りに火の気はない。それなのに焼け焦げた臭いが、鼻を刺激した。
それは床に倒れている村長から、漂って来ている。肌はただれ赤くなっている。髪の毛も焼け落ちたようだ。
「何があったんだ?」
リーグが言った。その声を聞いて、るるんぱが気がついた。
「新しいお客さんだよ。」
けけとわわの方を見た。
リーグはるるんぱの方を見た。
「親父?」
姿は父親だ。しかし、声と口調が違う。
「親父?と言うことは、君はこの男の・・・息子かい?」
「何言っているんだよ。自分の息子の顔を忘れちまったのか?」
リーグは怒鳴った。
「待ちなよ。今、記憶を探るから。」
その間、七秒。
「あぁ、君は息子だね。」
その時だ。るるんぱの中にいたリーグの父親が叫んだ。
「息子に手を出すな!」
「もちろんだよ。自分の子孫を手にかけるわけないだろ?君の体だって、何も恒久的に借りてようとは思ってないよ。今はこれしか手段がない。それだけ・・・。わかったら、少し休んでてよ。」
意識の最下層に、リーグの父親を追いやった。
「で、君が息子だって話しだよね?」
確信した。これは父親ではない。
「お前、いったい誰だ?!」
「父親だよ、少なくとも・・・この体はね。」
「この体は?」
「そう中身は、君のひいじいさんよりも年上だけどね。訳あって、体を貸して貰っているのさ。」
そんな話を誰が信じるだろう。
「ふざけるな!本当の事を話せ!」
「うーん、本当なんだけどな。ま、いいや。信じてもらえなくても。特に問題ないからね。」
るるんぱは、いたってマイペースだ。しかし、イバーエに気がつくと態度が一変した。
「お前、言術使いだな?」
背筋が寒くなる。氷の視線だ。
< 54 / 87 >

この作品をシェア

pagetop