lotlotlot2-ふたつの道-
「わかった・・・。私も手伝うよ。」
「そんな・・・アイワイさんを危ない目に遭わせられないよ。」
「私を誰だと思っているの?パウパウ堂のエーマリリスの娘よ。」
確かにパウパウ堂と言えば、言術の道具でも、魔法の道具でも、何でも扱うすごい店だ。世界広しと言えども、パウパウ堂の右に出るものはいない。そして、エーマリリスさんは、僕たちの憧れの人だ。その娘であるアイワイさんが、手伝ってくれるならこんなに心強い事はない。でも、その申し出を受け入れるわけにはいかない。
「ダメだよ。」
僕はもう一度断った。
「そう言われてもね。もう無理ね。」
「無理?」
「後ろを見て。」
あいつがすぐ後ろまで来ていた。
「ごめんね、アイワイさん。巻き込んじゃって・・・。」
「気にしないで。自分から言い出したんだから。」
そう言った彼女は、その容姿からは想像も出来ないほど、とても勇ましく見えた。
「・・・やっと着いた。はぁはぁ・・・。」
かなり息があがっている。それを見て、まずアイワイさんが動いた。
「先手必勝!bic。」
草が編み込まれロープを作りだした。そして、それが舞う。あいつの手を、足をグルグル巻きにした。
「なっ・・・。」
驚き、かなり強く絞められているのだろう、苦悶の表情を浮かべた。
「イバーエ君っ。」
アイワイさんが合図した。
「lot。」
雷雲が急速に集まり始める。僕はさっきの苦しみを忘れていない。同じ目に遭わせてやる、そう思っていた。
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