lotlotlot2-ふたつの道-
そこにそれだけが残された
「さて、行こうか。」
「はい。」
るるんぱの呼びかけに、わわは返事した。一緒にいるリーグは何も言わない。ただ、歩き出した二人の後ろをついていった。
木の根が地面から飛び出していた。二人に気を取られていたリーグは、気がつかず、それに足を引っ掛けた。
「うわっ。」
体が大きく傾く。右足を大きく前に出し、倒れないように踏ん張った。
「おいおい、怪我なんかしないでくれよ。」
「う、うん。」
るるんぱの父親のような言葉に、思わず返事をしてしまった。
「あら、ずいぶん素直だね。」
わわはリーグをバカにした。それに反発するかのように、また無口になった。それから、リーグはわわを睨みつけた。
「おおこわっ。」
思ってもいないのに、そう言うわわがさらにムカついた。けど、自分に何か出来るわけでもない。手を出したところで、魔法使いと普通の人間の力の差は明らかだ。
しかたなく、足下にあった石をけ飛ばした。その拍子に、リーグの鞄から何かが落ちた。しかし、それに気がつく事もなく、三人は森の奥へと消えていった。
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