lotlotlot2-ふたつの道-
まさかと思った。
じいちゃんの言術をくらって、あいつが生きているなんて考えもしなかった。でも、生きていた。
「きゃあああああああ。」
アイワイさんの足首を、あいつの手と思える黒い物体が掴んでいる。土の汚れと雷で焼け焦げたせいだろう。
動揺し、想いを創り出せない。つまり、言術を使えない。アイワイさんはそれくらい驚き怯えていた。
「アイワイさんっ。」
なんてタイミングが悪いんだ。メルツの所に走って来たせいで、アイワイさんとかなり離れてしまった。
「じいちゃん、どうしよう?」
「わん、わん。」
思わずじいちゃんに聞いたが、答えられるはずもない。僕は困惑した。
まるで、アイワイさんを支えにするかのように、あいつの手は、ふくらはぎを、太股を、順番に掴み、地上に戻ろうとしている。気がつけば、上半身が姿を現している。
「アイワイさん、言術を使って!」
叫んだ。しかし、僕の声は届かない。
「アイワイさん!」
もう一度叫んだ。でも、ダメだ。
「lot、lot。」
さっきのじいちゃんと同じように、第二言を唱えた。じいちゃんが届いたんだから、僕の第二言も届くはずだ。そう思っての事だ。
・・・。
何も起きない。
「な、なんで・・・。」
理由は簡単だった。僕の言術は力の加減が出来ない。たまにうまくいくけど、それは本当にたまにだ。基本、無限大か零かのどちらかしかない。
僕が無限大の力を使えば、アイワイさんを確実に巻き込む。そう考えると、想いをのせられないのだ。
「た、助けて・・・。」
涙混じりの声で、僕に助けを求める。しかし、どうする事も出来ない。今の僕が出来る事。あとは、第三言しかない。
じいちゃんの言術をくらって、あいつが生きているなんて考えもしなかった。でも、生きていた。
「きゃあああああああ。」
アイワイさんの足首を、あいつの手と思える黒い物体が掴んでいる。土の汚れと雷で焼け焦げたせいだろう。
動揺し、想いを創り出せない。つまり、言術を使えない。アイワイさんはそれくらい驚き怯えていた。
「アイワイさんっ。」
なんてタイミングが悪いんだ。メルツの所に走って来たせいで、アイワイさんとかなり離れてしまった。
「じいちゃん、どうしよう?」
「わん、わん。」
思わずじいちゃんに聞いたが、答えられるはずもない。僕は困惑した。
まるで、アイワイさんを支えにするかのように、あいつの手は、ふくらはぎを、太股を、順番に掴み、地上に戻ろうとしている。気がつけば、上半身が姿を現している。
「アイワイさん、言術を使って!」
叫んだ。しかし、僕の声は届かない。
「アイワイさん!」
もう一度叫んだ。でも、ダメだ。
「lot、lot。」
さっきのじいちゃんと同じように、第二言を唱えた。じいちゃんが届いたんだから、僕の第二言も届くはずだ。そう思っての事だ。
・・・。
何も起きない。
「な、なんで・・・。」
理由は簡単だった。僕の言術は力の加減が出来ない。たまにうまくいくけど、それは本当にたまにだ。基本、無限大か零かのどちらかしかない。
僕が無限大の力を使えば、アイワイさんを確実に巻き込む。そう考えると、想いをのせられないのだ。
「た、助けて・・・。」
涙混じりの声で、僕に助けを求める。しかし、どうする事も出来ない。今の僕が出来る事。あとは、第三言しかない。