lotlotlot2-ふたつの道-
焦った。しかし、焦ったおかげなのか、なんとかリーグを背負えた。腰を直角に曲げ、その姿は老婆のようだ。
「くっ。」
重さに苦悶の表情になった。それを見ても、るるんぱは気にしない。
「いくよ。」
構わず歩きはじめた。その歩調に遅れながらも、わわは一歩、一歩、歩みを前に進める。
「はぁ、はぁ・・・。」
体が重い。呼吸を大きくしなければ、倒れてしまいそうだ。
その時、わわの記憶を揺さぶる臭いがした。
「?」
記憶の一部だけがめくられるものの、なかなか全体像を現そうとしない。どうしても何か思い出せない。
いつしか、それはどうでもよくなった。今は一歩ずつ前に進む。それが至急の命題だったからだ。
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