紅芳記
翌日までに、産小屋に置いていた私の道具を奥御殿に移し、産小屋には夢の御方様が入られました。
私は、姫を産んだ。
彼女が若君を産んだら、迷いなく殿にその子を嫡子にするよう、申し上げよう。
本当は辛くて、辛くて仕方がないですが、私が彼女にしてあげられることはこれしかない。
私たちが上洛している間のことで、彼女のことを悪く言う者もいると聞きます。
ここで若君を産めば、彼女の居心地も少なからず良くなることでしょう。
私は、産小屋の道具を片付けてくれている侍女たちを見ながら、そう決心致しました。