紅芳記

「姫さま!
大変でございます!」

ふじが慌てて部屋に入ってきました。

「ふじ。
如何した。」

「姫さまの打掛を運ぶ途中、盗賊に襲われ…。
打掛は盗まれ、届けに来た夫婦の商人は、殺されたと…!」

夫婦の商人…?

それって………!?

「幸之助殿とおなみ殿でございます…!」

おなみ…………。

本当に、おなみ?

嘘よ………。

嘘。

………嘘、でしょう?


< 56 / 454 >

この作品をシェア

pagetop