紅芳記

私は思わず部屋を飛び出しました。

「ひ、姫さま!?
どちらへ参られるおつもりでございますか!?」

「決まっておる!
おなみのもとぞ!」

「なりませぬ!」

ふじや侍女たちが必死に私を止めようとしました。

「はなせ!
おなみは死んでなどおらぬ!!」

私は皆を振り切り、馬に乗っておなみのいるはずの反物問屋に向かいました。


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