零の狼-新撰組零番隊-
嘲笑う鎌鼬。

…本当に私達が何も変わらぬまま、この戦場に立ったのならばそうだろう。

見苦しく狼狽し、うろたえ、それでも玉砕覚悟で七種に挑み、為す術もなく死神の鎌に刻まれる。

そんな無駄死にを演じていたに違いない。

しかし。

「何も変わっていないように見えるかよ」

一七夜月さんが言葉を発した。

その眼には、いささかの曇りもない。

「……」

闇に紛れて雄弁に語っていた七種が、急に押し黙る。

一七夜月さんは尚も語る。

「俺達はな…迷いを吹っ切ってきたんだ。新撰組零番隊の思想が正しいのか、てめぇら威震志士が正しいのか、そんなんは知った事じゃない…俺は論客じゃないし、歴史家でもない。時代の流れなんてコロコロ変わる。正しいと思ってやった事が、後世で悪行だったと詰られるなんざ、珍しくもない話だ」

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