零の狼-新撰組零番隊-
任務は終わった。

「しかし…何だな」

人斬り包丁を納刀し、一七夜月さんが呟く。

「俺の喉元への一撃がなければ危なかったな」

「……」

眉尻をピクリと動かし、私は彼の顔を見た。

何を言っているのだろう、この人は。

一七夜月さんの一撃など、私の脇腹への刺突のおまけに過ぎない。

実質、七種にとどめを刺したのは私だ。

「…七種を倒したのは…私…」

「あぁん?」

一七夜月さんが眉を潜めた。

対峙し、睨み合う。

功名心を持ってはならない。

手柄を求めてはならない。

舌の根も乾かぬうちに、私達はまた小競り合いを起こす。

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