零の狼-新撰組零番隊-
周囲を走る風切り音。

まるで鎌鼬だ。

姿は見えずとも、確実にその凶刃は迫ってきている。

「くっ!」

一七夜月さんが歯噛みする声。

同時に刃同士がぶつかり合う音が聞こえる。

咄嗟に受け太刀したらしい。

その強張った全身の筋肉が、受け止めた一撃の力感をありありと伝えている。

記憶を辿るに、七種の体は然程筋肉隆々の大柄な体格ではなかった筈。

むしろ体格で言えば一七夜月さんの方が逞しかったように思う。

にもかかわらず、この力感。

恐らく得物の重量と肉体のしなやかさを生かし、最大限の威力を引き出しているのだろう。

それだけでも、七種が戦い慣れている証明と言えた。
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