Libra ~揺れる乙女心~
火薬の匂いが俺に火をつけた。
「俺じゃだめかな?俺、鈴子が好き。」
人がたくさんいるのに、不思議と恥ずかしさはなかった。
鈴子に告白をしているってことのほうが恥ずかしくて、人前で抱き合っていることがどうでもいいくらいだった。
遠くに見えるお好み焼きの屋台には行列ができていた。
「お好み焼き食べたい・・・」
鈴子の答えに俺は笑い出すしかなかった。
断られたってことなのか、聞こえていなかったのか、俺は手を繋ぎ直して、お好み焼き屋へ向かった。