Libra ~揺れる乙女心~
告白
お好み焼きを食べながら草の上に座った。
もう、みんなの元へ戻るつもりはない。
明日、どんな質問攻めにされるかは想像がつくが。
今日だけは俺が独り占めする。
俺の鈴子だ。
「美味しいね。」
何事もなかったかのように俺に微笑む鈴子は
悪女か・・・?
天然か?
どうでもいい。
俺は鈴子が好き。
「健太と話せなくて、すごく寂しかった。これだけは本当の気持ちだから・・・」
「俺もすっげー寂しかった。」
しばらくの沈黙の後、また花火が始まった。
お好み焼きを食べ終わっても、鈴子は戻ろうと言わなかった。
だから俺もそのまま鈴子の手を握って、花火を見た。
花火を・・・というか、
花火を見つめる鈴子を見ていた。