約束
 考えを整理して、できるだけ具体的に問いかける。


「ここに住むのは断るってことは、一人暮らしをしたいということ?」
「できればね」

 彼の親がどんな人なのか、全くイメージがわかなかった。雲をつかむような感じで彼の親をイメージしていたのだ。

「一人暮らしさせてくれそう?」
「大丈夫じゃないかな。相談をしてみないといけないけど」

 木原くんは肩をすくめ苦笑いを浮かべていた。

 もしだめだといわれたら転校するのだろうか。お金の問題も絡んでくるし、私たちが望むように簡単にはいかないのかもしれない。

 彼の親も知り合いの家に住むとなればすんなり受け入れてくれる可能性もある。

少なくとも家賃はかからないし、食費なんて一人増えたくらいだと微々たるものだ。

だから私の気持ちは別にして、悪い話ではないと思う。
< 23 / 546 >

この作品をシェア

pagetop