約束
 町中を華やかな音楽が流れる日、私は緊張をしながら木原君の部屋の前にいた。だが、手ぶらでプレゼントは持っていない。彼に話をして、部屋からもってこようと決めたからだ。

 拳を作り、軽く叩くと木原君が顔を覗かせる。

「どうかした?」
「話があるの。いいかな」

 彼は不思議そうな顔をしながら、私を招き入れる。私は彼に断り、部屋に荷物を取ってくると言い残し、部屋に戻る。晴実と買ったプレゼントを持ち、木原君の部屋を覗いた。

 彼は携帯を手に誰かと話をしていた。私と目があうと、手を顔の前に持っていき、謝るような仕草をする。
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