約束
部屋の扉が叩かれる。晴実は私の表情から何かを感じ取っていたのか、ほっとしたような表情を浮かべていた。
だが、ここで終わったと思ってもらっては困る。
私は彼女に聞く気満々だった。とりあえず手短に話を終わらせようとして、ドアを開ける。
だが、その直後、その場に固まってしまっていた。
「邪魔してごめん。これを野村さんに渡して欲しいんだけど」
彼はそういうと、ノートを差し出す。表紙に文房具の名前がアルファベットで印刷された青のシンプルな大学ノートに数学と綺麗な文字で描かれていた。
そこには木原君と同じクラスと、野木敦と見慣れない名前が書かれている。
「野木君?」
そのとき、目の前にあったノートが視界から消える。晴実がいつの間にかそれを手中に収めていた。
「分かったから。渡しておくから」
そう口にした晴実の顔が真っ赤になっていた。
でも、私には状況が飲み込めなかった。
まず、野木君って誰なんだろう。少なくとも木原君と同じクラスの人だということは分かる。そして、晴実が好意を持っているのか、意識をしている相手だということだ。
「ありがとう。じゃあ、明日ね」
彼はそう声をかけると、部屋を出て行く。
晴実はノートを受け取り鞄の中に忍ばせていた。
「私、帰らないと」
だが、ここで終わったと思ってもらっては困る。
私は彼女に聞く気満々だった。とりあえず手短に話を終わらせようとして、ドアを開ける。
だが、その直後、その場に固まってしまっていた。
「邪魔してごめん。これを野村さんに渡して欲しいんだけど」
彼はそういうと、ノートを差し出す。表紙に文房具の名前がアルファベットで印刷された青のシンプルな大学ノートに数学と綺麗な文字で描かれていた。
そこには木原君と同じクラスと、野木敦と見慣れない名前が書かれている。
「野木君?」
そのとき、目の前にあったノートが視界から消える。晴実がいつの間にかそれを手中に収めていた。
「分かったから。渡しておくから」
そう口にした晴実の顔が真っ赤になっていた。
でも、私には状況が飲み込めなかった。
まず、野木君って誰なんだろう。少なくとも木原君と同じクラスの人だということは分かる。そして、晴実が好意を持っているのか、意識をしている相手だということだ。
「ありがとう。じゃあ、明日ね」
彼はそう声をかけると、部屋を出て行く。
晴実はノートを受け取り鞄の中に忍ばせていた。
「私、帰らないと」