悲恋~歌姫HARUHI~
「ごめんな。
受け止めてやれなくて…
許してほしい。
俺は大人だから……冒険はできないんだ。
ここに生きてる限り…」

ヒロの目からあふれ出す涙・・・・


「困らせるつもりじゃなかったの。
ただ愛する人に抱きしめられたかった
あなたを抱きしめたかったの。
気持ち押し付けてごめんなさい。」


私の想いがヒロをこんなに
苦しめるなんて思ってなかった。


最低だわ…私…


「戻ろう?
俺は何もしらなかった。
春妃は俺の娘のような存在だった
あの頃に戻ろう。
そうしたら一緒にいられるよ。」


その言葉が救いだった・・・・


「また会えるよ。
家に遊びにいくからね。」


私のこと嫌いになってない?


また会えるよ

その言葉がうれしくて
私は
何度も何度もうなづいて

愛する人をもう一度
強く抱きしめた。


ヒロの腕も私を力いっぱい抱きしめてくれた。


もういいよ・・・
ありがと・・・・
最後まで優しくしてくれて


「バイバイ~」


何度も何度も
振りかえって私は、手を振った。
子どものころヒロの背中にしたみたいに・・・・


小さくなってもヒロは
私に手を振ってくれた。


ヒロが完全に見えなくなった時

全てが終わりを告げた・・・・
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