彩葉唄
「ハァッ‥‥ハァッ‥‥」
立ち止まることをせず、霧夜は走り続けていた。本当は疲れているし、立ち止まって休みたい。
だが、霧夜はそれをしようとしなかった。走り続ける霧夜の片手には文のような物が握られている。
この文は彩葉が霧夜に向けて投げた矢に結んであった物だ。
文には読みづらい字で言葉が綴られていた。
『月が地に堕ちる場所にて待つ』
一見何処かわからないだろうが、霧夜にはわかっていた。
このまま走り続ければ、あの場所に着くまでに一刻もかからないだろう。