ひなたぼっこ~先生の、隣~






「おい、本当に大丈夫か?」


ドキ


目の前を見ると、先生が心配そうに顔を覗き込んでいた。


「だ…大丈夫です」


「泰葉、たまに考え込むんだよね。"誰か"のせいで」


香奈が嫌味ったらしく言う。


「違っ…」


泰葉が否定しようとするが、香奈が完全に先生を睨みつけている。


「ね?先生。お詫びに、家まで送ってよ」


「…お前に詫びる覚えはない。それより…」


ドキ


先生と目が合った。



ドキン


ドキン





ピルル




携帯の着信音が鳴り響いた。





学校では常に、マナーモードにしている泰葉と香奈ではない。




先生の携帯だ。







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