私と彼の関係
 ただの振りというわりには私の期待したくなる要素が多くて、好きかと言われれば、首を傾げたくなる要素が多いからだ。


「言ってくれたら、できることならするよ。最初に言ったようにさ」


 そう優しく言ってくれた彼の言葉に背中を押された。


 一度言おうとした言葉を飲み込み、心の整理をつけるために頭の中を整理しなおす。


 ノーと言われたら、諦めようと言い聞かせていたのだ。


 二度目の勇気を振り絞るために、そっと息を吸い込んだ。


「花火大会に行きたいの」


「花火?」


「来週あるやつ」


「ああいうのって人が多いし、煩いし。何がいいんだろうね」


 宮野君はため息まじりにそう口にする。


「でも、綺麗だし。一年に一度のお祭りだし」


 言わなきゃよかったかな。


 その日は私の誕生日だった。


 祝ってほしいなんて贅沢は言わない。
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