私と彼の関係
「どうかした?」


 少し前を歩いていた宮野君が足を止め、私の顔を覗き込んでいた。


「何でもないよ」


 こんなことなら、もっと早く、もっと一時間でも多く勉強をしていたらよかった。


 彼との約束という根拠があれば、いつでも誘えるから。


「今からだと遠くには行けないけど、別の場所に行ってもいいよ」


「え?」


 意味が分からずに宮野君を見る。


「行きたいって言った割にはあまり楽しくなさそうに見えたから。今も難しい顔をしているし」


「そんなことないよ」


 私は首を横に振る。一応、気にはしていてくれたんだ。私のことなんて興味がなさそうなのに。


 優しさと冷たさがあって、そのたびにうれしくなったり悲しくなったりする。


 きっとそれは彼の気持ちがわからないからだ。

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