私と彼の関係
「私が結んであげる」


　彼女は立ち上がり、私の背後に行くと私の髪の毛に櫛を落とす。時折、引くような痛みが皮膚を刺激していく。


「ごめんね。痛かったら言ってね」


　彼女の言葉にうなずくけど、痛いとは言えなかった。自業自得といえば、そうだからだ。


「今日は結んだほうがいいかもね」


　そういうと、彼女は鞄からレースをあしらったシュシュを取り出して私の髪の毛のサイドを持ち上げていた。最後に顔を写せる大きな鏡を私に渡す。


「こんな感じでいい？」


　さっきまで気になっていたぼさぼさな感じがなくなって、どこかすっきりした感じだった。


「ありがとう」


「どういたしまして」


　あいは私の前の席に腰を下ろす。


「でも、優菜は肌が綺麗で羨ましいなあ。やっぱり睡眠がいいのかな」


「そうかな」


「そうだよ。いっつも思うもの」


　あいは手先のすらっとした長身で、顔立ちも大人びていてすごく綺麗だ。そんな彼女にほめられると恥ずかしくなってきてしまった。ほめられているのは私の肌なんだけどね。


「がんばってね」


　あいのことばにうなずいていた。

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