私と彼の関係
 彼と待ち合わせをしたのは学校の近くにある公園。そこに行くとすでに彼の姿があった。


「じゃあね」


 そう言って立ち去ろうとしたあいの手をつかむ。


「待ってよ。一人にしないで」


 この前のようにドキドキしてきてしまっていた。


「じゃあ、ついていくだけだよ」


 あまりに私が情けない顔をしていたのか、あいは彼の傍までついてきてくれることになった。


 彼の体に私達の影がかかる。そして、ゆっくりと顔をあげていた。


 彼はにっこりと笑みを浮かべ、立ち上がる。


「じゃあ、借りていくから」


 彼はそういうと、私の手を引っ張っていく。振り返ると、あいは私達に手を振っていた。何をされているのか混乱してきてしまっていた。


「あの、宮野さん?」


 君と呼んでもよかったけど、どうしてもそう呼んでしまっていた。


 前を歩いていた彼の足が止まる。そして、私をのぞくように見つめていた。


「まあ、悪くはないか」


「何がですか?」
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