私と彼の関係
「俺の彼女にするには合格かな、と」


 彼女?


 何で?


 それどころか私は彼の電話番号も知らない。友達でもない私がどうして彼の恋人になるのか理解できなかった。そこでたどりついたのが一つの結論だった。


「冗談?」


「本気」


 彼は笑みを浮かべることもしない。それが彼の本心をわからなくさせていた。


「だって私達は会って間もないし。全然知らないし」


 かっこいいけど、いきなり彼女ってのはありえない気がした。それに彼から告白されたわけでもない。


 もしかしてこんな話をもちかけてきてくれたということは彼が私のことを好きでいてくれているということなんだろうか。


 そう期待して彼を見たとき、彼は平然とした表情で言葉を返す。


「別に彼女って言っても振りだから、難しく考えなくていいよ」


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